電子出版と聞くと、既存の書籍やマンガなどのコンテンツをデジタイズするイメージが強いのですが、コンテンツをデジタルデータとして流通させるプラットフォームとして考えると、どんなモノでも電子出版できます。
電子出版で最も相性が良いのは既にデジタルデータ化されているコンテンツで、映像などはコーデックの違いぐらいのものでこれほど簡単なことはありません。
他のコンテンツと同様、映像もまたそのワークフローは既に完全にデジタルデータ化されており、収録から完パケにいたる全てがデータです。
収録メディアもテープレス化がかなり進んでおり、キャノンが先日発表した映像制作システムなどが示すように、もはやテープがなくなることは時間の問題でしょう。
その進化のスピードはオープンリールからカセットへ、アナログからデジタルへ、SDからHDへ移行したときよりも早いと思われ、もはや一般にはテープメディアは駆逐されてしまったと言っても過言ではないと思います。
テレビ局の現場ではまだまだテープが主流でしょうが、それは市場全体から見れば無視できるほど小さな部分でもあります。
逆説的にはアマチュアでもプロフェッショナルな環境が既に整ってしまっているとも言えます。
だからといってプロフェッショナルが不要というわけではありません。
コンテンツを誰でも供給できる環境が整った今、その方向性は大きく分けて2分化したと考えます。
従来のプロフェッショナルによる、映画、テレビのようなコンテンツに加え、ニコ生などの素人によるコンテンツです。
私自身はこの意味ではプロフェッショナルに分類される映像産業やコンテンツ産業に関わってきました。
しかし私が日々接しているコンテンツには確実にアマチュアのコンテンツが増えてきています。
ニコ生はラジオを彷彿とさせる中毒性と面白さがあると考えています。
この意味では、2chのひろゆき氏やiモードの父・夏野氏がかかわっていることもあり、プラットフォームとしては良く出来ているし、とても面白いと思います。
しかし、プロフェッショナル向けのこうしたプラットフォームはまだ存在しない。
私はここに大きなビジネスチャンスがあると考えます。
日本に於いて、特にテレビに関して言えば巨大なゼネコン構造が横たわっています。
コンテンツの制作機能は全体に対する割合としては局にはほとんど無く、子会社、下請け、孫請け、ひ孫請けなどのプロダクションが請け負う形で製作されているのが現状です。
テレビ各局の収益悪化はこうしたピラミッドで言えば底辺に近いプロダクションの経営環境を悪化させてしまいます。
アメリカではコンテンツの権利関係が明確で、基本的にプロダクションが製作したコンテンツを借り上げて局が流す方式をとっています。
日本では権利は局に帰属するため、製作会社の収益源は製作費だけです。
産業規模の違いもあるので一概に比較は出来ませんが、こうした構造はクリエーターに多大な負担が生じます。
こうしたアメリカ型の映像コンテンツ流通を既存のテレビ局で実現することは到底困難なので、あらたなプラットフォームデザインが必要なのではないでしょうか?
プロダクションにとって収益性があり、コンテンツをアプリケーション、サービスなど様々な形で流通させる自由なプラットフォームが理想です。
こうしたプラットフォームのアイデアがいくつかあります。
プラットフォーム上での競争は下請けの疲弊とは違う、良質の疲弊ではないでしょうか。
制作力のあるプロダクション、クリエーターが生き残り、良質のコンテンツが自由に流通できるプラットフォームこそがテレビを変え、映像を始めとするコンテンツ産業を変えていくのではないかと考えます。
Snow Leopardに移行したとき、真っ先に使えなくて困ったのがiTunesのプラグインVolume Logicでした。
Webの力を借りて当時、色々情報を探し回って旧ブログにまとめたのだけど、Lionへの移行でも同様のトラブルに巻き込まれてしまいました。
Lionで更に新たなトラブルも発生し、OSのアップデートごとに不具合や互換性が失われていきます。
開発やサポートは既に終了していることもあり、まるで兵糧攻めに遭ってるようで、いつか使えなくなるんでしょうか(笑)
以下、当時の記事の抜粋を引用しておきます。
アクティベートが出来なくなってしまった人向けに書いた内容ですので、インストール部分は割愛してあります。
Lionでも同じ方法が通用します。
Lionでの新たな問題の対処法も暫定的ですが追記しておきます。
iTunes10.5.1で動作確認済みです。
手順完了までiTunesは起動しないようにしてください。
SnowLeopardでVolumeLogicを使えるようにする方法は既にネット上で数多く公開されているが、実は手順を間違えるとアクティベートでうまく行かない時がある。
VolumeLogicのActivateウインドウにあるDemo、Activate、Buyのどのボタンも反応しなくなったり、Activate errorのポップアップが開いてYesもNoも選択できなくなり、iTunesを操作することさえできない。
アクティベートがうまく行かなくなってしまった時の対処法は、ざっとみた感じネット上には見当たらないので説明しておこう。
Preferencesフォルダの、あるファイルを削除するとうまくいく。
com.apple.iTunes.xxxxxxxxxxxx.plistというファイルを削除してみる。(このファイルが無い場合もあるようですが、その時は次の手順へ)
xの部分はEthernet ID(Macアドレス)なので個体によって全て違う。
このファイルの正体はeSellerateのアクティベートを管理するためのもので、手順を間違えたり先走ってVolume Logicを起動したりすると生成され、アクティベート不能になりがちだ。
特に新規インストールでSnowLeopardを導入された方が手順を先走ってしまったり、Macを新調して環境を移行する等してアクティベートしたMacとEthernet ID(Macアドレス)が変わってしまった方は要注意だ。
どうしてもうまく行かない場合は、Volume Logicのファイルを削除するのと同時にこちらのファイルも削除されることおお勧めしたい。
ちなみにインストールまでのよく知られている手順は以下の通りである。
こちらで既に加工済みのインストーラーをダウンロードしインストール。
このファイルは自分で作ることもできる。
その作り方はこちらで紹介されている。
次にターミナルで以下のコマンドを入力。
cd /usr/lib
sudo cp libcrypto.0.9.dylib libcrypto.0.9.dylib.old
sudo cp libssl.0.9.dylib libssl.0.9.dylib.old
sudo ln -sf libcrypto.0.9.8.dylib libcrypto.0.9.dylib
sudo ln -sf libssl.0.9.8.dylib libssl.0.9.dylib
ここまでの手順が完了するまでiTunesは起動しない方が良い。
しかし、Lionでは新たな問題が発生してしまいました。
Volume logicのパラメータの調整ウィンドウが表示されなくなってしまいます。
ウィンドウが表示されないだけでプラグイン自体は有効です。
これは私の環境固有の問題かも知れませんが、対処法は暫定的に以下の通りです。
まず、iTunesを終了させた状態で、
/Users/Library/Preferences/com.octiv.VolumeLogic.plistを削除する。
iTunesを起動させると、初期設定の位置でVolume Logicのウィンドウが開く。
前述のファイルを削除しているので初期化されていますが、
再度自分の好みの音質に設定する。
次回起動時は再びウィンドウが表示されなくなりますが、Volume Logic自体は有効です。
音質を再調整する場合はこの手順でウィンドウを表示させて…と言うことになります。
かなり煩雑ですが、サポートもない現状で考えるとこの使い方しかありませんね。。。
例えば、ある日突然投資ファンドのセールスマンがパンフレットを持ってきて、金融商品を売りに来たらどうするでしょうか?
僕なら(そんなお金もないので、そもそも来ないでしょうが)とりあえず話を聞くかも知れませんが、すぐにその金融商品買うことはないと思います。
提案されたポートフォリオを読んで、リスクとリターンを比較し、多少のリスクを取っても納得いく利回りが見込めるなら買うかも知れません。
あるいは絶対にリスクは取りたくないので買わないかも知れない。
少なくとも僕には大まかにその二つの選択肢があり、更に買うとしてもポートフォリオを、よりリスク指向のものなのか、手堅く行くのかも自由に組めるでしょう。
皆さんだったらどうするでしょか?
しかし、この選択肢が無いとしたらどうなるでしょう?
その金融商品を買うことが「義務」と言われ、セールスマンはポートフォリオも持参せず、振込用紙が郵送されてくるだけ。
しかもそのファンドの運用はかなり不透明で、運用資金の横領や不正流用などが明るみになり、さらには信用の基盤となっていた集金力や基本的な運営までずさんだった。。。
これが仮に「○○証券」のような名前の民間企業だったら、マスコミに糾弾されるわ経営者は晒し者になり、詐欺で告訴され損害賠償を請求されてもおかしくない。
年金って例えるとこういうことなんじゃないか?
制度と言えば聞こえはいいけど、集めたお金を運用し、将来的な利回りを提案するという点では金融商品を買うのと何も変わらない。
相互扶助みたいなこと言ってるけど、それは商品の目的であって金融商品であるということに変わりは無いはずだ。
ただし、民間よりもたちが悪いのは信用力を悪用している所にあると思う。
国家が運営するファンドは信用力が強力な武器になっている。
それは徴税という強力な集金システムに裏打ちされていると言っても過言じゃないと思う。
テレビ番組の劣化がひどいという話題を最近よく耳にするようになりました。
今年に入ってからその頻度は高く、個人的にもテレビは見たい番組も非常に少ないのですが、時代の一つの流れを感じることとしてテレビを見なくても特に話題に事欠かないことにも気づかされます。
それほどテレビはかつてとは違い、様変わりしてしまいました。
もはや人々の生活にとってそれほどウェイトを占めるものではなくなったようです。
この「メディア」のリプレイスを急速に推し進めたのは他でもないインターネットであることは言うまでも無いでしょう。
テレビ局を製造業に例えてみましょう。
番組製作予算が10年前に比べ3分の1とも言われるこの時代、これまで金と時間をかけて作り込んできた娯楽を生産することはもはや出来なくなりました。
従来の商品を生産することが出来ないのです。
しかし販売する商品を供給できなければ収益は上がらないので、より安価な商品を輸入するに至りました。
それが先のでも騒動に象徴される韓国ドラマ枠の増加です。
私企業の経営方針としては至極まっとうで合理的な選択ですが、調達した商品が韓国製であったがために政治的、文化的な非難に利用されたようにも見えます。
非難した人々にその認識があったかは分かりませんが、そもそもテレビ局は免許制の独占的で保護的な企業という面が強く、ライバルが少ないという面もあります。
基本的には民放在京キー局4社と公共放送の2波の中での競争なので、たの業界に比べれば格段に「楽」な業界でしょう。
さらに法律で海外資本規制なども加わり買収などによる資本効率も進まない、ライブドア事件のようなことが起きようものなら各局共闘してよそ者を排除する…
かつてテレビが批判した銀行よりも自身の方が護送船団方式で身を守ってきましたが、視聴者離れを食い止めることは難しいようです。
テレビは年寄りと主婦と子供のものと言われるように、番組製作の現場でも情報番組などは特に主婦層に対して「より分かりやすく」が基本的なポリシーとして存在します。
こうしたターゲティングはマーケティングとしては正しいのでしょうが、反面ターゲティングから外れたマーケットを取りこぼす結果が現状でしょう。
こうした現状を踏まえると、ポートフォリオの多様性を持たせる意味では輸入に頼らざるを得ないのが現実ではないでしょうか。
これらを踏まえて考えたとき、テレビ局の独占的な免許による保護、規制などは自らの首を絞める結果を招いています。
実は自由化した方が業界全体の活性化に繋がるのではないでしょうか。
もちろんそれが難しいのは電波利権として誰もが知る所ですが、おそらくいよいよ切迫する状況が来るときまで、そのリアリティはないのでしょうね。
今参加しているゲームが「沈む船の椅子取りゲーム」だとしたら、効率的に安定的にイスを独占することは非合理な選択ではないでしょうか。
この例えでは、船底の穴をふさぐか救命ボートに乗って逃げることが合理的だと誰もが気づきますが、それが分からないこともあると言うことですね。
ちなみに前述の予算削減のお話。
Vipper達が面白い答えを出してくれていました。
「予算が3分の1なら、番組も3分の1に減らせば良い」
確かに(笑)
昨日の記事で知り合いのWeb開発者がAndroidと比較してiPhoneはとてもよく出来たプラットフォームだと言っていたことを紹介しました。
iPhoneはスマートフォンではなくスマートプラットフォームとでも言える、素晴らしいプラットフォームであると思います。
時としてOSをプラットフォームと呼ぶこともありますが、こうしたプラットフォームデザインはWindowsのものともGoogleのものとも違い、紛れもなくMacそのもののようでもあります。
そのiPhoneプラットフォームから少し視点をずらし、別の角度から見ると面白い世界が見えてきます。
iPhoneはAppleで開発され製造は主に中国で行われています。
それはiPhoneの裏面にしっかりと、こう刻み込まれています。
Designed by Apple in California.
Assembled in China.
この2行から様々なことを読み解くことが出来ますが、Appleブランドとしてのアイデンティティはあくまでもクパチーノにあり、有形無形問わず全てのデザインのブレーンはAppleである、ということではないでしょうか。
近年の急成長で力をつける中国からは、こうしたプロダクトを生み出す力はまだありません。
かつて良くも悪くもMade in Japanがブランドだったことを考えると、Designed by Appleは同じ意味を持っているのかも知れません。
肝心のiPhoneの中身は、(言い方は悪いかも知れませんが)色んな国からの寄せ集め部品で出来ています。
ほとんどは日本メーカーの部品ですが、対立が話題のSumsungの部品も主要な部分に使われています。
先日、とあるWeb開発者とお話をしていた時、こんなこぼれ話を耳にしました。
Webとスマートフォンそれぞれに向けてストリーミング放送用のページを突貫で構築しなければならないらしいのですが、iPhone向けのページの構築はすんなり済んだそうです。
ところがAndroid向けのページを構築するとなると、そう簡単にもいかないようで連日徹夜のようでした。
事情を詳しく尋ねるとiPhoneの場合はHTML5で簡単に記述できるそうで、というのもSafariがHTML5をサポートしているおかげでそれが実現できたということでした。
Androidは詳しくは知りませんがオープンで標準化されたプラットフォームだと思っていたので、なぜ構築に手間取るのか?という疑問をぶつけてみると、端末レベルで仕様がバラバラで全ての互換性を確保するのがとても面倒だと言うことでした。
テクニカルな話としてVideoタグが云々と言うことでしたが、私は専門家ではないので詳細までは分かりませんが、概要としてはコーディングとして統一的な記述が出来ないという状況だと理解しました。
特にAndroidの2大機種、Sony EricssonのXperiaとSumsung Galaxyはかなり相違があったりするようで、搭載したい機能を実装するのに共通の方法がないと言うことでした。
素人考えでJacasctiptではどうにもならないのか?と聞くとどちらかがダメだそうで、結局全てに対応するにはとても複雑なコーディングをするしかないとの結論に至ったようでした。
21世紀の偉大なアントレプレナーSteve Jobsが逝ってしまいました。
iPod、iPhoneの成功がなければ、これほどまで世界がショックをうけることはなかったことでしょう。
彼の成功は、彼が大いなる失敗をいくつも経験し、そして大いなるリトライをすることが出来た幸運な人だったからに他なりません。
彼にとって最大の失敗は、Appleを一度追い出されてしまったことですが、その大いなるリトライはそのAppleに復帰することが出来たことでしょう。
その後も失敗は続きます。
G4 Cube、Newtonなど数え出せばキリがありませんが、それでも彼があきらめずに革新的な製品を生み出せたのは、多くのリトライの機会を得たことにあると思います。
彼にまつわるエピソードは、仕事もプライベートもおおよそ「嫌なヤツ」としか呼べないものが多いのですが、それでも(私を含めた)多くの人々を魅了するカリスマ性は、Appleのアイコンでありアイデンティティの一つでもありました。
iPhoneユーザーは、iPhoneを一体どういう風に使っているのでしょうか?
電話、SMS、Mailでメール、Safariでのブラウジング、iPodで音楽を聴く、アプリを使う、思いつく範囲ではこんな感じでしょうか。
docomoと2台持ちの私はほとんど電話はせず、SMS、MMS、Mail、アプリ(Twitter、Facebook、乗り換え案内)、Safari(ブログ更新、情報収集)、iPodといった具合に頻度的には文字コミュニケーションが最も多いツールという位置づけです。
このように書くと改めてiPhoneを発信を主としたコミュニケーションツールとして活用していることを実感しました。
皆さんはいかがでしょうか?
特にiPhoneメインで使っているビジネスマンの方などは電話の頻度が最も高くなったり、あるいは学生さんなどはメールやTwitterなどの利用頻度が高いのではないかと想定されますがいかがでしょう。
ちなみに情報収集という意味で考えた場合の、当ブログへのアクセスで最も多いのは記事柄が良く出ていて、Mac版Safariが最も多く43%、次いで意外なのがiPhone11%、iPad9%と続きます。
Appleのプラットフォームが全体の約70%を占め、Windowsは25%、残りがBlackberryやLinux、珍しい所ではFreeBSDなんてのもあります。
(せからしか.com 6月期アクセス調べ)
【iPhoneアプリと収益性】
さてiPhoneをどのように使うかは人それぞれだと思いますが、アプリに関してiPhoneを使う上で程度の差はあれど膨大な数の中から好みのものをインストールして使っていらっしゃる方がほとんどではないでしょうか?
便利なアプリや楽しいアプリは有料無料を問わずほとんど無数に存在し、アプリの存在とそれによって広がる汎用性の高さがiPhone最大の特徴の一つだとも言えます。
今では電子版雑誌などもアプリを無料配布しています。
App Storeでの配布はインストールしユーザーが使うまでのフローがとても簡素にデザインされているので、非常に利便性の高いシステムと言えるでしょう。
ただし、コンテンツプロバイダ側にしてみるとこれは必ずしも歓迎されるばかりではありません。
そのキーワードは「収益化」に集約されます。
【iOSにおける電子出版の潮流】
その代表的な一つの例として、電子出版があります。
日本においては音楽業界に同じく出版業界も非常に保守的であるという事情もあり、電子出版の盛り上がりは微妙な感じです。
その中にあっていくつかは、果敢に挑戦しているベンチャーもあります。
例えばアゴラブックスなどです。
アゴラブックスはこの収益化の部分をクリアするため、アプリという形で書籍を配布せずWebアプリとして出版しています。
概念的には、一度書籍を購入すると所有権が発生しどのプラットフォームからも読むことが出来るようになります。
PCからもMacからもiPhoneからもiPadからも、共通のプラットフォームであるWebブラウザによって読むことが出来ます。
ある意味では先駆的に創業当初から専用アプリではなくWebアプリ方式を採用していたアゴラブックスですが、この流れは最近のトレンドになりつつあるようです。
【iOSアプリかWebアプリか】
アダルトコンテンツであるプレイボーイ誌はiPad版アプリのリリースを目指していましたが、アダルトコンテンツを許可しないAppleの方針に業を煮やしWebアプリという形でコンテンツを提供することを決めました。
またFinancial Timesはアプリで電子版を提供しているにもかかわらず、Webアプリ版の提供も開始しました。
異なるルートでコンテンツを提供するこのような2本化は、コンテンツプロバイダにとって2つの大きなメリットをもたらします。
・検閲(Appleによる審査)を通さずに済むため、配信コンテンツの制限がない
・アップルへの上納金(30%のマージン)を支払う必要がないため、収益性が高まる
この2点はコンテンツの根幹に関わる部分でもあるので、非常に見逃せないポイントです。
【本質はどちらもWebである】
アプリの概念は特にiPhoneにおいて、Appleがルールブックであるという点で非常に興味深いエコシステムを形成しています。
とくに、Webの本質的で最も強力な法則の数々を利益の源泉としてきたGoogleに代表されるようなシステムとは真逆のものです。
その視点からすればAppleのApp Storeの概念は、独善的で権威的で本質に反するものであり、そこに由来する点においては批判的な意見も多く、時として論争の元にもなります。
なぜならiOSプラットフォームではAppleはビッグブラザーであるとも言えるからです。
シェアの増加と解放圧力はトレードオフにあるので、このルールがいつまで持つのかは個人的には懐疑的であります。
どちらも本質的には広義のWebサービスであり、そのルートの違いによって縄張りが争われているという状況でしょう。
ちなみにAndroidは事情が異なり、Webの代名詞であるGoogleがWebブラウザ以外のチャンネルを持ちたいという発想に基づいています。
どっちに転んでもGoogleのチャンネルなのです。
【日本の電子出版にチャンスはあるか】
誰も手をつけていないという意味ではまだまだ未開の市場が存分にあります。
ハフィントンポストのような事例が日本でも起こりえるかは不透明ですが、そうした解放圧力はiPhoneなどの外圧によって無視できなくなるのもまた自明であるかと思います。
少なくとも、コンテンツを生み出すクリエイターにとってはより利益に近い方が良いでしょうから、電子化を望む、あるいはそれをコーディネイトすることさえビジネスになるように思います。
クリエーターが直接販売できるようなシステムという意味では、リテラシーを高めることも含め大きなチャンスがあるように思います。
日本では産業構造としてイノベーションが育ちにくいというのは、もはや(残念ではありますが)定説的と見る向きが強いのですが、全くイノベーションが育たないわけではありません。
過去にはそうした事例が多くあり、iモードはモバイルにおける非常に大きなイノベーションの一つに数えられます。
iモードの父と呼ばれる夏野剛氏がdocomoにいた当時、docomo社員ではなく外部からかき集めた「外人傭兵部隊」によってiモードを誕生させ、成功へと導きました。
これは、事後的にiモードが社外の「外人」によってある程度自由に作れたことが成功への要因の一つとして大きかったと分析され、イノベーションを起こす上でも重要な要素を持っていたとされています。
さらにiモードが素晴らしかったのは、Webのスキルを持った人ならばコンテンツを誰でも作り安かったことにより、コンテンツが爆発的に増えたと言うことが挙げられます。
このことによってiモードは公式サービス以外の部分でも、非常に活況へと導かれました。
恐らくこれはdocomoにとっては嬉しい誤算だったに違いありません。
docomoは公式サービスでの収益しか視野に入れていなかった節が強いようですが、外人部隊によって限られた時間の中での開発過程の中で既存のWebと高い互換性を持った仕様になるなど、副産物によるところが大きかったようです。
これはサービスとキャリアのアンバンドルによって生み出されたと見ることも出来ます。
これを、たとえば地デジのBMLのような低互換、特殊、独自な仕様にしていたら、iモードの成功はなかったかも知れません。
逆説的に言えば、ワンセグや地デジも(周波数の浪費や電波行政など、根本的な是非は別として)Webとの互換性が確保された者であれば、画期的なイノベーションになったかも知れませんね。
iモードの成功が残した功績は、モバイルとコンテンツビジネスの未来を切り開く上で画期的な出来事だったと言えるでしょう。
そして、先日の記事にも少し触れたGreeやモバゲーなどのソーシャルサービスの先駆けだったとも言えます。
もう一つのiモードは更にスケールが大きくグローバルなものです。
Apple社のiPhoneは、その生い立ちや戦略などiモードと全く異なりますが、形成されるエコシステムには多くの共通点も見られ、システムとコンテンツという意味では同じロジックとも言えます。
ただし、決定的に異なるのは形成されるエコシステムはハードを含めたシステムであると言うことです。
キャリアとコンテンツはアンバンドルされていますが、iPhone全体としてはAppleのサービスと一体のレイヤー上にアプリが存在します。
コンテンツをアプリという形に昇華させた意味ではAppleにとって強力なイノベーションで、おかげでAppleは巨大なグローバル企業へと成長しました。
反面、主観的なアプリの審査方法や、クローズドな仕様により開発者やユーザーからしばしば批判の声が上がるのもまた事実です。
iPhoneのライバルとして挙げられるAndroidはGoogle社の提供するプラットフォームです。
そのエコシステムはAppleと酷似していますが、大きな違いはオープンであると言うことです。
開発者はほとんど制約を受けることなく、アプリを開発し自由に配布、販売することが出来ます。
その反面、ユーザーには自己責任でのセキュリティリスク声もありますが、このオープンさは今のところユーザー、メーカー、開発者のいずれにもに強い支持を受けているようで、iPhoneに対してそのシェアを大きく伸ばしています。
キャリアにとっては売れる端末であれば何でも良いので、敗北宣言とも言われたdocomoのiPhone販売断念は、ある意味では合理的な選択、つまりAndroidでも充分に勝負できるという公算がたったのでしょう。
この両者を比較した時、その長所を持っているのがiモードではないかという印象を持ちました。
iモードの長所はオープンな仕様、膨大なコンテンツから得られるシナジー、そこにアクセス出来るデバイスでした。
通話の機能と短いメッセージ交換機能しか持っていなかった携帯電話を一夜にして情報端末へと変化させたのです。
時代が進んだことで、そのテクノロジーやコンテンツも変貌しましたが、iPhoneは高機能デバイスとしてのスマートフォンの方向性を示し、Androidはオープンな仕様によって大きなシナジーをもたらしました。
その意味では、iモードはとても偉大なイノベーションだったと感じます。
これを輸出できなかったことがiモード最大の失敗だったとも言われています。
iPhoneユーザーとしては、Appleがこれからも魅力的なデバイスとサービスを提供し続けてくれることを望みますが、近い将来Androidと互換性を持つような形に変貌することを想像してみると、もっと面白いようにも思います。
Webの世界で無理矢理プラットフォーム障壁を作る戦略が、ユーザーメリットとしていつまでも受け入れ続けられるかは未知数ですね。
今から3年前の6月9日、サンフランシスコは俄に活気づいていました。
当時のWWDCはおそらく、今ほど世界が熱気を帯びて見守るほどのイベントではありませんでした。
その日、Appleは文字通り「世界を変える」デバイスを発表しました。
iPhone 3Gです。
このイノベーションがもたらした物は、昨今のスマートフォン活況を見るにつけ誰の目にも明らかなように、様々なサービス、アプリケーションを生み出す一大産業へと急成長しています。
先日も述べたように、これはすでにBig Playerのゲームへと成長したのです。
今では従来主流だったケータイ電話ユーザーもスマートフォンを手にすることを考え、保守的だった日本のキャリアでさえサービスの内容やビジネス戦略の変更を余儀なくされるほどの動きとなっています。
【iPhoneと似て非なるもの】
私が最も驚いたのは、サムスン電子のギャラクシーが好調なセールスを記録しているという発売当初に伝えられたニュースでした。
どう見てもiPhoneを意識して作られたであろうそのデザインですが、世の中はそれを是として受け入れたのです。
それは世を賑わすiPhoneとは明らかに似て非なる物でしたが、それでもそのデバイスは売れました。
iPhoneを売ることが出来ない2キャリアは、それぞれにスマートフォン販売に注力し、市場を切り開いています。
ある程度のリテラシーを持ったユーザーはそれがAndroidであるかiPhoneであるかを識別し、どちらが自分の用途に合っているのかを判断するに至っています。
【ソーシャルサービス】
また、これに派生するように、広義のモバイルコンテンツも活況を見せています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は興味深いレポートを発表しました。
国内ソーシャルゲームの市場規模についての将来的な予測です。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、国内ソーシャルゲームの市場規模について、2013年には3048億円となり、国内家庭用ゲームソフト(2010年3180億円)と同水準になるとの見通しを明らかにした。(中略)
家庭用ゲームソフトの市場規模が2009年から2010年にかけて82億円の減少にとどまっていることを考えると、ソーシャルゲームは家庭用ゲーム市場を奪っているとは見ていない、としている。
「三菱UFJモルガン証、国内ソーシャルゲーム市場は2013年に3000億円規模に拡大」より
これは国内の市場規模に関しての予測であり、世界規模の市場となると、この数倍はあるでしょう。
ソーシャルゲーム自体の分析ではありますが、つまり一因としてコンテンツはモバイルで急速に拡大していることの裏返しでもあると考えられます。
レポートでは具体的企業として、GreeとDeNAを上げていますが、Appleの展開するサービスはソーシャルゲームも内包するプラットフォームであるため、より大きな市場規模を持っていることが容易に想像されるでしょう。
【Appleはデバイスメーカーではない】
先ほど例としてあげたサムスン電子ですが、メーカーとしてはとっても巨大なグローバル企業に成長しましたがAppleには遠く及びません。
決定的に異なるのはサムスンはギャラクシーなどを開発・販売するデバイスメーカーに過ぎませんが、Appleはデバイスを開発・販売しデバイスから自社のサービスによって収益を上げるモデルを持っています。
この両方を持ったメーカーは希有の存在で、事実上唯一的にAppleしかいないでしょう。
ほとんどの場合、デバイスとサービスはメーカーとコンテンツプロバイダ、キャリアという風にアンバンドルされています。
特に日本においては、iモード公式サービスなどと言われるように、集金システム持つキャリアを利用することで課金決済を伴うサービスが発展してきた背景があり、更にメーカーはその仕様に沿う物さえ作っていれば端末が売れたためこうした状況はより顕著な物になりました。
これがガラパゴス化を生み出したメカニズムの一つでもあります。
閑話休題、Appleに関して話を戻すとメーカーであると同時にキャリアを経由しない課金サービスを展開する強味を持っています。
これが現状です。
そしてこのわずか3年間で実現してきた、結果でもあります。
【Appleはキャリアを目指すのか?】
Appleがキャリアになるという噂はいくつか存在しました。
MVNOに参入するのではないか?という噂も過去にはありました。
実際、Appleはそうした動きを見せていたらしい痕跡もありますが、今のところ実現していません。
そうした待望論もありましたが、結論としてはキャリアとサービスの完全なアンバンドルが最も合理的であることが明白にもなりました。
ポイントはこの完全なアンバンドルで、キャリアは通信サービスに徹し、サービスは自由な競争にするべきという考えです。
日本においては基本的にこの部分の縛りがきついことから、孫社長率いるSoftBankでなければiPhoneは販売することが出来なかったとも言えます。
これまでの3年間を折り返して、この先3年後を考えた時、モバイルの世界は予測も付かないほど大きく変貌を遂げているでしょう。
その時キャリアとしてのApple mobileは誕生するのか?
とても強力なブランド力はあると思いますが、それほど支配的で強権的なやり方はAppleにとってもユーザーにとってもそれほどメリットはないかも知れません。
クラウドも用意する、コンテンツも用意する、ただし通信インフラはキャリアで、と言うのが完全なアンバンドルの鉄則です。
裏を返すとAppleのより良いサービス展開はキャリアの通信品質に関わってくることでもあります。
その部分をAppleが担うメリットは、それほど見えないのかも知れません。
翻って、キャリアの通信インフラ、次世代通信方式がどうなるのか、周波数割り当てはどうなるのか、インフラ面で気になる所の方が多いようにも思います。
日経新聞電子版によると、SoftBankはSIMフリー端末向けのSIMカードを7月に発売すると発表しました。
docomoでは今後発売する端末のSIMロックを解除するサービスを表明していることから、こうした端末のユーザー獲得を狙ったSoftBankのサービス開始ととるのが自然でしょう。
ただし、自社で取り扱いのあるiPhoneやiPadのSIMフリー版はこの対象ではないとのこと。
パケット通信は月額5985円を上限に設定しているそうです。
docomoのSIMロックを解除してSoftBankを使いたいユーザーがいるのかは疑問ですね。
今回は対象外のiPhone、iPadですが仮にSIMフリー版が対象であっても元々意味ないですね(笑)
むしろdocomoから同様のサービスを展開して欲しいように思います。
現在docomoで提供されているサービスはiPhone4などで使えるようなmicroSIMカードの提供ですが、SIMフリー版iPhoneで使用した場合の料金体系などはSoftBankよりも割高な物になってしまいます。
今回のSoftBankのサービス開始がこれを牽制する物であるならば、ユーザーとしては歓迎したい動きでもありますね。
この動きにどういった反応を示すのか、docomoの動向に注目したい所です。
ちなみにSoftBankの孫社長は以前iPhone、iPadのSIMロック解除に関して、否定的なコメントを発表した経緯があります。
また今後もそのような計画は無いとも語っています。
SoftBankのアイコンとも言える存在となったiPhone、iPadを手放すようなことは企業利益に反するので頭の良い孫社長は絶対にしないでしょう。
個人的にはSIMロック解除しなくても良いので、docomo並みのエリア充実に尽力して頂きたいと思うのですが。。。
ソフトバンク、他社端末向け「SIMカード」7月発売:日本経済新聞 http://t.co/FDKxC2y
発表以来ずいぶん長い期間を置いた上で、紆余曲折あってようやく先日発売を迎えたiPhone4のホワイトモデル。
発売からそれほど間もないのですが、電車や街中で意外と見かける頻度が多く、堅調なセールスであることが伺えます。
身の回りではiPhone4のデザインは意外と不人気で、個人的にもデザイン性で最も好きなのはiPhone3GSのホワイトで、半年後には2年縛りも無くなるのですがしばらくは使い続けたいと思っています。
さて、先日もお伝えしたようにAppleは今秋にも本格的なクラウドサービスを開始することが発表されています。
.MacからMobile Meへ移行する時のような混乱を危惧する声もありますが、Appleは失敗から学ぶことの意味を良く理解している企業であるので個人的にはそのような心配はあまりしていません。
.Mac時代からのMobile Meユーザーとしては、例え混乱が起きたとしてもまた無料期間が延長されるでしょうから、それはそれでアリかなとも思っています(笑)
ちなみに現在Mobile MeユーザーへはAppleからのメールが届いているかと思いますが、来年の6月30日まで期間が延長されました。
なので今年はサービスの更新料は支払わずに済みそうです。
【Blu-Ray不採用に見る、Appleのクラウド戦略】
Appleに限らずクラウドサービスのメリットの一つに、メディアレスである事が上げられます。
ローカルの媒体そのものがクラウド上のサーバーに置き換えられるため、メディアはさほど重要ではなくなります。
代わりにそれは通信インフラに依存する部分でもあり、技術的な進歩によってブロードバンドが普及した現在においてはさほど問題無くなりましたが、ワイヤレスにおいての現状はまだ発展の途上と言える部分でもあります。
しかしこれもいずれ技術が解決してくれる、いわば時間の問題でしかありません。
Appleはこの点において、クラウドがメディアレスである事をメリットとして捉えている節が強い。
昨年の夏、クラウドサービスの先駆けとなるAppleTVに関して「AppleがBlu-Rayに興味を持たない理由」と題した記事を書きました。
その一部を抜粋したいと思います。
ブロードバンドを介したコンテンツのダウンロード産業はインターネット産業の成長とともに急速に大きくなっていき、既存媒体であったDVDはそれに押されつつありました。
ユーザーの手元に届けるためにDVDをオーサリングしてプレスして店舗へトラックで運ぶよりも、ダウンロードサーバーへコンテンツをエンコードして置いておく方が遙かに早い。
AppleはiTunesによってコンテンツをダウンロード販売する企業です。
iTunesという独自のダウンロード販売チャンネルを持つAppleが、Blu-Rayに興味を持たないのもうなずけます。
Blu-RayのセールスポイントのひとつであるHDでさえ、技術の進歩によってダウンロード可能になりました。
これはAppleにとって重要な戦略です。
その上でBlu-RayはAppleの戦略の対極にある存在となります。
Appleはこのように良くも悪くも顧客の声を程々に無視する企業ですが、その対案を提案してくれます。
Blu-Ray採用はAppleの利益と、ユーザーの利益に反する(Blu-Ray採用にはライセンス契約が必要なためプロダクトの価格に転嫁される)ことになります。
それを解決する手段としてクラウドはとても都合が良いのでしょう。
【メディアレスへの布石】
一般論としてクラウドの目指す究極はメディアレスでもあります。
すべてのデータはクラウドへ通ず、がクラウドという仕組みの宿命的な道筋の一つであることは自明でしょう。
どこにいてもどのデバイスでも同じデータを利用できるクラウド最大のメリットです。
現在、AppleのモバイルデバイスであるiPhone、iPadにはストレージ容量の異なる複数のモデルが用意されています。
クラウドサービスが成熟してくると、クラウドの持つメリットからこのようなローカルストレージの違いにはそれほど意味を持たなくなるでしょう。
もちろん、それにはサーバー側に十分なストレージスペースとそこへアクセスするためのインフラ成長が不可欠となりますが、それはAppleだけの仕事ではありません。
ストレージスペースとインフラの成長は、ムーアの法則によってIT技術の中でも見通しが立てやすく、発達と低コスト化が進みやすい。
このメリットを活かすと、将来登場するiPhone XやiPad Xは今よりも少ないストレージスペースしか持たない、1モデルのデバイスになるかも知れません。
デバイスのストレージスペースのコストを削減できるので、デバイス自体の価格も下がるかも知れません。
ただし、Appleに限らずほとんどのモバイルデバイスが抱える宿命的な問題に電源があります。
すべてのデータを通信だけでやりとりするには、今の電源では少し心許ないでしょう。
1日も稼働できないモバイルデバイスをAppleが許すとは考えにくいので、登場にはしばらく時間が必要になるかも知れません。
【そして、別の可能性】
Appleのクラウドの特徴を最大限に活かすデバイスはiPhone、iPadに限らないかも知れません。
Apple TVもその一つで、テレビをコンテンツ視聴に限らずMacに変えてしまうかもしれない。
Apple TVは3Gのようなワイヤレス技術ではなく、基本的にはブロードバンド環境の中で利用されることを想定しSTBなので、インフラ面ではモバイルよりも有利な環境にあります。
GoogleのChromeOSのようなWebOSの実行環境としてApple TVが存在するならば、WebのありかたとPersonal Computerのありかたを大きく変える可能性を持っています。
個人的にはそうしたスマートデバイスの登場とサービスの展開にも、期待したいと思います。
RIMと言っても日本ではあまりピンと来る人はいないでしょうが、Blackberryと言えば分かる方も多いでしょう。
日本ではdocomoから提供されるBlackberryはResearch in Motionというカナダのメーカーが提供する端末とネットワークサービスです。
Blackberryはハリウッド映画の台詞やシーンでもよく登場し、情報端末としてのスマートフォンの代名詞でもあります。
端末の機能性の高さとサービス品質の高さから欧米のビジネスマン必携のツールでもありました。
オバマ大統領が就任した時、彼はBlackberryユーザーだったことから日本ではオバマケータイなどと呼ばれた頃もありました。
私自身、かつて(仕事柄もあって)Blackberryユーザーでもありました。
数あるBlackberryの機能の中で最も素晴らしいものを一つあげるとするならば、なんと言ってもプッシュメールサービスにあるかと思います。
私がBlackberryを選んだ理由はそこだけだったと言っても過言ではありません。
私の使っていた機種は、Blackberry 8707hに続きBlackberry Bold 9000と2機種でした。
特にBBBはiPhoneと併用していたのですが、端末のアイデンティティとも言うべきQWERTY配列のキーボードは慣れるとテンキーよりも早くタイピングでき、尚且つ片手で操作することも可能でした。
反面、端末のメールに関する機能性は高いのですがブラウザは死ぬほど遅く、また利用料金も当時はそれほど安い物ではありませんでした。
(結局私はBBBをやめてパケット通信のすべてをiPhoneに一本化しました)
【Palm OS】
かつてPalmOSと呼ばれるOSとPalmというPDAの代名詞のようなデバイスが存在しました。
私自身は所有したことはないのですが、その出で立ちは現在のスマートフォンの先駆けのようで、基本的にタッチ式の液晶画面をスタイライスを使って操作するという物でした。
今考えるとそれは唯一的なタッチ式のデバイスで、とても先駆的でした。
古参のAppleユーザーならば恐らく、Newtonのことも思い出されることでしょう。
それも同じく先駆的なデバイスでしたが、商業的にはほとんどふるわず失敗作でもありました。
the iPhone instantly rendered it irrelevant .
PalmOSを元に作られたスマートフォンTreoは、iPhoneによって葬られてしまった。
Dan Frommer氏はBusiness InsiderでRIM Is The New Palmと題してこう述べています。
そしてRIMもまた然りであると。
PalmOSの辿った運命は悲惨な物でした。
商業的に全くふるわず、再起をかけて作り直したWebOSは結局HPへと売却されることになりました。
そこへ至る原因を彼はこう述べています。
Palm had moved too slowly, on both the software and hardware sides.
And as smartphones became a consumer story, Palm got smoked.
実はWebOSの買収にはRIMも名乗りを上げていたらしいのですが、結局落札価格を上回っていたHPが買収することのなったのだそうです。
自社のOSがあるにも関わらずWebOSを買収しようとした背景には、RIMの危機感があると思われます。
BlackberryはiPhoneとAndroid、すなわちAppleとGoogleによって急速にそのシェアを落としています。
RIMはこの状況にOSを維持していくことの難しさを感じ、Palmと同様の運命を見ているのではないでしょうか?
【RIM Is The New Palm】
iPhoneに叩きつぶされたPalmとRIMが同じ道筋を歩んでいるように見えると言うことでしょう。
ただしRIMにはまだブランド、サービス、サービスインフラがあります。
生き残る道はOSをAndroidのようにオープンな物にしてサービスに徹するか、サービスをAndroidなどマルチプラットフォーム展開するかでしょう。
実はかつて、Nokiaのスマートフォン上でBlackberryサービスが使えるアプリケーションが存在したことがあります。
商業的にどれほどだったのかは不明ですが、それ以前にそのNokiaも危機的な状況でもありますが。。。
【Apple、GoogleはBig Player】
こうした業界の大きな変化は、ここわずか2、3年の出来事です。
その間にスマートフォン市場が急速に拡大し、Big Playerで行われるゲームに成長したと言うことでしょう。
非常に競争の激しい世界の中で、中堅では通用しなくなってきたと言うことの裏返しなのかも知れません。
HPは先に買収したWebOSを搭載したタブレットデバイスを発表していますが、果たしてApple、Googleにどれだけ対抗できるのでしょうか。
ユーザーだった身としては将来BlackberryがPalmのように無くなってしまうのは少し淋しい気もします。
個人的にはサービス展開をマルチプラットフォーム展開してくれるのが良いように思います。
BlackberryサービスのiPhoneアプリなどが登場して欲しいですね。
最近街中でも見かけるようになってきたiPad2。
私自身は初代iPadを持っていたのですが、思っていたよりも使い道が無くて手放してしまいました。
店頭でディスプレイされているiPad2は初代よりも軽く、動作も軽快でデザイン性も気になってしまいついつい衝動買いしてしまいそうな魅力を感じます。
iPad2からはホワイトとブラックの2カラー展開されていますが、個人的にはホワイトがとても気になる所です。
そんなiPad2ですが、ちょっと物騒なニュースが各所で伝えられています。
iPad2に限らずApple製品のほとんどは主に中国で製造されています。
製品の箱などを見るとだいたい「Assembled in china」と書かれ「Design in California」と併記されています。
今回その中国で、組み立てを請け負っている台湾系電子メーカの開発担当者、元従業員、さらに中国電子部品メーカーの経営者に「商業上の機密漏洩」で有罪判決を下されたそうです。
気になる漏洩情報の中身ですが「iPad2本体のケースの設計情報」だそうで、台湾系電子メーカの開発担当者がメーカーの経営者に25万円で売っていたそうです。
秘密主義でも知られるAppleですが、取引先と厳しいNDAを結び、情報保全に努めている中で起こったこの事件。
今回は中身ではなくケースの設計情報が売買されていたわけですが、やはりアウトソース先からの機密漏洩は完全に防ぐことは出来なかったようです。
また、別の側面としてそれだけAppleのプロダクト情報を知りたがっていると言うことでしょうか。
この事件は昨年9月に元従業員が仲介役となって起きていたと言うことなので、iPad2の発売前だったということになります。
Appleでは昨年8月に元Apple社員によるプロダクトや入札等の情報リークでマージンバックをもらっていたという贈賄事件もありました。
中国では25万円でしたがこちらはなんと総額250万ドル!
FBIも捜査に乗り出し、マスコミもその額の大きさをスキャンダラスに伝えていたようです。
情報を受け取った企業側も利益に直結する情報とあって、巨額の賄賂を支払ったのでしょうね。
Apple元社員の贈賄は250万ドル!!CDMA版iPhone受注業者の名も…
今回の事件では中国側も、世界の工場として経済成長の原動力の一部である製造業における犯罪を厳しく取り締まる姿勢を見せることでチャイナリスクと揶揄される信用不安をかき消したい狙いもあるのでしょう。
iPhone、iPadなどモバイル端末とサービスを中心に急成長を遂げるAppleの注目度はこれからも大きく、今後もこうした事件が起きることが予想されますね。
いずれにしてもAppleにとっては、気の抜けない話だったのではないでしょうか。
参考記事
iPad2設計情報漏えいで有罪=台湾系企業の開発担当者ら-中国:時事ドットコム
昨日、アメリカのAppleStoreにてiPhone4が直販され始めたことをお伝えしたばかりですが、国内でのiPhoneについて動きがあったようです。
本日付の日経新聞電子版によると、NTT docomoはiPhoneを「販売する計画は無い」ことを株主総会で明らかにしたそうです。
つまり国内でdocomo版のiPhoneが発売される可能性がキャリア自身によって否定されることになりました。
登場を待ち望んでいた人(私自身も含め)にとっては、ちょっと残念なお知らせですね。
また、この発表の中でdocomoはiPhoneを「優れた端末」であることを前置きしていることから、iPhone発売へ向けて様々な努力をしたことや、発売できなかったことへの不満もにじみ出ているようにも感じました。
やはりSoftBankとの独占契約が障壁になったのかな、と邪推したくなってしまいます。
国内のiPhoneユーザーはキャリアとしてはSoftBankのみが独占的に販売継続する可能性が濃厚になりましたね。
【iPhoneよりもAndroid】
また株主総会の中では、今後Android端末の販売に注力していくことも表明されており、その理由として、従来の携帯ユーザーからスマートフォンへ移行しても、同様のサービスを継続利用したいという要望を満たしやすいのはAndroidであるとしています。
日本は端末メーカーよりもキャリア主導型のサービスが充実している事情もあり、ワンセグやXperia acroのようにおサイフケータイ機能を実装したスマートフォンに需要が高いようです。
こういった需要を満たしやすいのはオープンプラットフォームであるAndroidだと言うことなのでしょう。
iPhoneはこの意味では非常に特殊な存在で、端末メーカーに利益が上がる収益構造を持った端末です。
従来のメーカーとは異なり、端末と同時にサービスを提供するビジネスモデルを持っているのでキャリアにはあまり旨みのない端末とも言えます。
docomoがiPhone販売を断念した背景には、Androidの市場拡大とキャリアの持つビジネスモデル、そして時としてガラパゴスとも揶揄される日本独自のサービス展開の事情があるのではないでしょうか。
【やっぱりSIMフリー】
docomo版iPhoneの道が絶たれたとしても、MVNOである日本通信とSIMフリー版iPhoneという選択肢が残っています。
少なくともdocomo網でiPhoneを使うことが出来るのは、料金面などから見てこの組み合わせが現実解でしょう。
やはり日本国内においても、AppleStoreでiPhoneが直販されるようになることが望ましいですね。
参考記事
ドコモ「iPhone発売の計画ない」 株主総会で表明:日本経済新聞
Appleには熱狂的なファンが多いとかよく言われ、時としてそれは宗教的とまで言われます。
私自身にその自覚はありませんが、周りから見るとそう見えるかも知れません。
身の周りにどれだけのApple製品があるでしょうか?
私の場合周りを見渡すとこんな感じでした。
WiFiルーター:AirMac Extreme
デスクトップ:MacPro
サーバー:Mac mini
ノート:MacBook Air、Mac Book
携帯:iPhone 3GS
職場:MacPro
仕事もプライベートもすべてApple製品です(笑)
ちなみに以前の職場でPやPMをやっていた頃はMacProとMacBookが支給されオフィスワークはOffice for macでした。
こうしてみると、私も熱狂的なファンと言われても仕方ありませんね。
さて、時価総額世界一へのし上がったグローバル企業Appleへ、これほどまで人々をかき立てるものは一体何なのでしょうか?
これには科学的根拠があると言うことをイギリスの国営放送BBCが伝えているとCNNが伝えていました。
報道によると、AppleファンにApple製品を見せるのと宗教の信者に神の像を見せるのでは脳の反応が全く同じだったそうです。
あながちApple信者という例えは間違いではなかったようです。
熱心なAppleファンの中にはタトゥーまで入れてしまう人もいるそうなので、そういう人に比べると私はまだまだ精進が足りない方なんだと思います(笑)
ちなみに私はApple製品を買った時に付属されてくるAppleステッカーをなぜか集めてしまっていて、かつてそのステッカーほしさにMobie Meを自動更新ではなくパッケージ購入で毎年更新していましたw
参考記事
アップルがかき立てる「宗教的反応」、BBCが科学実証-CNN
AppleがSIMフリー版のiPhoneをアメリカで直販していると複数報じられています。
携帯電話のメーカー直販の例はそれほど多くないのですが、直営店を持つAppleにとってはまさに自身の強みを活かすことになるでしょう。
国内でAppleストアを訪れていつも思うのが、iPhoneを触れてもその場で買うことが出来ない。
Appleにとっては商機を逃しているとも言えるので、日本でもこのような展開が望まれます。
【なぜ、直販できなかったのか?】
報道によると、アメリカではキャリアとの独占契約があったことが報じられています。
この契約によりAppleは端末を直販できなかったようです。
翻って日本ではどうでしょう?
ネット上で少し調べてみましたが信頼性のあるソースが見つけられなかったのですが、推察するにソフトバンクとの間に独占契約があるのではないかと見るのが自然なようです。
docomo版のiPhoneを所望する声は根強いようですが、これが出来ないのもAppleとの間に交わされた契約が障壁になっているのかも知れません。
【では、日本では?】
日本でもSIMフリー版の登場を所望するユーザーは多いように思われます。
iPhoneユーザーが多く目に付くようになり久しいのですが、身の回りの経験で言えばdocomoとソフトバンクの2台持ちユーザーが意外に多いことに気づきます。
都内に住んでいるとそれほど感じませんが、すこし都心を離れたり地方へ行った時などに痛感するのがソフトバンクの使えなさです。
地方でのエリアが狭すぎることが原因ですが、こういう時ほどdocomoで使えたらと感じることはありません。
個人的にはどこのキャリアであっても、安くて繋がるのであればそれでよいのですが欧米などのようにキャリアと端末をアンバンドルして、好きな端末を好きなキャリアで使えることがユーザーメリットを最大化できるのではないでしょうか。
日本においてSIMフリー版のiPhoneをAppleが直販するという情報はありませんが、近い将来それが実現されることを個人的には望みます。
それに呼応するように、キャリアも料金デザインを変え、日本においても端末とキャリアのアンバンドルが進めばよいと思います。
iPhoneやAndroidはその起爆剤になるように思います。
日本でも香港から輸入するなどして購入できるのも事実ですが、あまり一般的とは言えないでしょう。
やってみると簡単なのですが、個人リスクの範囲で海外との取引は店舗で購入するよりも敷居が高いものです。
【iPhoneがSIMフリーであると言うこと】
Appleにとってキャリアとの独占契約はイニシャルの出荷数を稼ぐ上では重要な戦略ですが、その成長率が緩やかになると逆に足枷になってしまいます。
キャリア内のユーザー数で飽和してしまうからです。
アメリカでとった戦略のように独占契約が終了したら直販するというのは、シェア拡大の上で至極まっとうな行動でもあります。
日本においても然りで、docomoでiPhoneを使うユーザーが増えるとSoftBankの純増首位とdocomoのシェア低下に歯止めがかかるかも知れません。
次期iPhoneあたりでSIMフリーのApple直販が実現するならば、私は喜んでSoftbankとの契約を解除したいですね。
端末性能も重要ですが、通信品質も重要ですから。
Appleがクラウド事業に本格的に本腰を入れることは、これからのPCのあり方やビジネスの勢力図を大きく塗り替えるかも知れない。
ちょっと大げさかも知れませんが、iCloudは実はそれくらいの強烈なインパクトを持ったサービスなのではないかと思いました。
先日の記事で最後に触れたのですが、AppleはマークアンドリーセンがネットスケープナビゲーターというWebブラウザで実現しようとした世界をクラウドで実現しようとしているのかも知れません。
【GoogleとApple】
GoogleとAppleが実現しようとしている世界は、根本的に同じでその基本構造はクラウドによって提供されるサービスです。
両者の実現を目指す世界にはプラットフォームとしてOSは視野にないように思われます。
決定的に違うのは無料か有料かという所ですが、収益モデルの話はここでは置いて後ほど触れることにしましょう。
Googleは巨大なデータセンターと無料を背景に膨大な数のユーザー数でWebを駆逐していますが、映画・音楽の有料サービスを二本柱にしたコンテンツ事業者の側面を持つAppleにとっては強力なアドバンテージです。
それをiTunes Matchによってアイソトープであるコンテンツへのリンクと、権利の所有という形にした所はとてもクラウドらしいのですが(これらをAppleのソリューションでのみの提供なのかは不明ですが)iPodの時と同じようにOSを選ばない形で提供すれば、まるでオセロゲームのようにAppleはiCloudでWebの世界を席巻することは容易に想像できます。
【なぜ、OSが不要になるのか】
クラウドは単なるデータの格納容器(あるいは処理装置)でしかないので、通信インフラさえあればアプリケーションだって実行することが出来ます。
ローカルデバイスのOSがなんであれ、クラウドに繋がればどこでも同じ事が出来る。
iOS、Mac OSはもちろん、WindowsやAndroidまで主要なデバイスでほとんど同じ事が出来るようになってしまうと、OSはクラウドとユーザーの橋渡しをするデバイスドライバの役割しか必要なくなってしまいます。
今のところ別のアプローチとしてChrome OSはそれを実現しようとしていますが、iCloudの目指す究極もまた同じであるように思います。
OSでプラットフォームの機能として提供されていたものがどんどんクラウド上に吸い上げられ、もはやWebとOSが同等になった時果たしてOSにお金を払って使うユーザーはどれだけいるでしょうか。
次期Mac OSX Lionはメディアレスで提供されることが発表されています。
これも一つのクラウド化の形です。
手元にメディアはなくてもライセンスとデータという形でクラウド上にからダウンロード、インストールして利用するのですが、いずれ今とは全く違う形でクラウド上にOSが存在するようになるかも知れません。
こうなってくると今のコンピューターのあり方とはあまりにもかけ離れたものになり、想像しにくくはなりますが、そういうスマートな世界も悪くはないのかなと言う気にさせられます。
インフラはムーアの法則によっていずれ成長していくので、そこは気にしなくても良いでしょう。
【iCloudはあなたのコンテンツを保存して、すべてのデバイスにプッシュします】
iCloudのページには、このようにクラウドが何か分かりやすく書かれています。
これはまだ始まりに過ぎず、この先スタンドアロンのOSからシームレスにクラウドへと置き換わっていくのではないでしょうか。
特にモバイルデバイスではインフラとデータ量の兼ね合いから、それが最も早く実現しやすい。
この秋に始まるサービスはiPhoneやiPadで、まずその真価が試されるでしょう。
ひょっとしたら、iCloudに最適化された未知なるデバイスが登場するかも知れません。
そのデバイスはクラウドらしい何かであることを期待せずにはいられないように思います。
【Appleはやはりビジネス上手】
iCloudは今のところAppleが販売するモバイルデバイスで、特にその真価を発揮するサービスです。
そのサービスは有料ですが、決して高い価格設定ではない。
iPhoneやiPadが売れれば売れるほどiCloudの潜在顧客は増え、iCloudを使ったiPhone、iPadユーザーはサービスから離れにくくなる。
Appleは販売した端末でコンテンツ販売だけでなくサービスでも収益を上げようとしています。
特にAppleTVはMacのように持ってるだけではそれほど価値のないデバイスです。
サービスとコンテンツの充実こそがアップルの収益増加に大きく貢献するのです。
一粒で二度、三度おいしいこのビジネスモデルには、Appleらしいしたたかさと商売のうまさを感じました。
先日WWDCで発表されたAppleのiCloud。
Appleが提供する新しいクラウドサービスで、その中身のほとんどはMobilemeから継承されていますが、目玉となるサービスはiTunesクラウドでした。
ローカルにデータを持たないという意味では、保有する楽曲データをクラウドへアップロードしてからダウンロード(ストリーミング)して視聴するアマゾンのサービスとは一線を画し、ここにおいても「音楽事業者」としての側面を持つAppleのシナジーとアドバンテージが存分に活かされることになりました。
その仕組みの面白い所はiTunes Matchによるもので、データのアップロードとダウンロードによるデータではなく、保有楽曲のマッチングでシンプルなシンクロの利便性を確保しています。
その点については既報の通りで、皆さんの方が良くご存じでしょう。
【で、何がすごいのか?】
iCloudをMobilemeの衣替えとサービス強化と捉えても良いのですが、実際はそれだけではありません。
音楽や映画は流通している範囲において、解像度、フォーマット、メディアの違いはあれど基本的に同じ内容を持ったデータです。
いわばアイソトープのようなものでしょう。
そのデータをマッチングによって照合することでローカルデバイスからのシンクロという煩雑性をクリアした意味では、iTunes Matchはおもしろい発想と言えるでしょう。
この面白い発想は、特段の目新しさもありませんがクラウドの意味を良く理解したAppleらしい答えの導き方だと感じました。
ストレージスペースを提供すると言うだけのクラウドとは異なります。
手元に存在するのはデータへのリンクでしかないのです。
リンクからストリーミングする、これはパーソナルなコンテンツ所有の新しい形でもあると思います。
キャッシュとしてはストリーミングもダウンロードですが、そのコンセプトは「モノを所有する」ではなく「権利を所有する」に近い。
手元にはないがクラウド上には存在し、ネットワークを介在して自由に視聴するというスタイルは、新たなビジネスチャンスと展開の可能性を想像させてくれます。
コンテンツは共通であれば何でもこの手が通用するので、これをアプリケーションにも応用することが出来る。
将来、アプリケーションもまたリンクでしか無くなるかも知れません。
そこでは常に最新の状態にアップデートされた環境が、自動で用意されていることでしょう。
【すでに、準備完了】
Appleは戦略的にしたたかで抜け目のない企業です。
既に下地を整えています。
AppleTVはその飛び道具として、すでにリビングへ進出しています。
Appleがある意味では単なるMacの会社ではなくなって久しいですが、Appleが提案しようとしているのはライフスタイルそのものであるように思います。
それに呼応するようにMacのアイデンティティはここ数年で大きく様変わりしました。
OSとしての側面は昔から言われている美しいUIと高いユーザビリティ、機能の向上といった点が上げられますが、個人的に考えるOSの理想像は存在を感じさせないほど老若男女に簡単で便利な道具であるべきだと考えます。
iOSはMac OS Xから派生した軽量版のMac OSですが、MacのアイデンティティはiOSによって大きく変貌を遂げていると考えます。
今から2年前に書いた記事から引用するならば、
OSの有無にかかわらずWebは存在し、そこにアクセスする術さえあればプラットフォームは何でもいい時代はすぐ目の前に来ている。
それはマークアンドリーセンが所望し予言した世界だ。
ここで言うマークアンドリーセンの予言とは、あの有名な言葉です。
「ネットスケープが普及すれば、ウィンドウズはデバグの不十分なデバイスドライバーになるだろう」
これは実はApple自身にも言えることではないでしょうか。
「iCloudが普及すれば、Mac OS Xはデバグの不十分なデバイスドライバーになるだろう」
AppleはiCloudによってMac OSXそのものの幕を閉じ、あり方を大きく変えていく可能性を持っているかも知れませんね。
そう考えると、iCloudはおもしろい第一歩だと思います。
一部、加筆、訂正しました。
昨日書いた記事に、cybercatfishという方からTwitter経由でこのようなコメントを頂きました。
「こんなコストを後払いさせられる原発が一番安価なエネルギーだって言ってるの?」
記事の趣旨からは的を外していますが、指摘している点はとても全うだと思います。
事実関係として原発の発電コストは単位発電量当たり火力よりも安い。
原子力は燃料の調達と発電効率を見ると化石燃料よりもコストパフォーマンス的に有利なのでしょう。
しかし、今回の震災に由来する福島原発の事故で発生する社会的なコストは膨大な物になります。
私は専門家ではないので、実際にどれくらいのコストになるのか分析も比較もできませんが、少なくとも今回の事故によって既にある原発は今のままでは安全に運用することが疑わしくなったのは事実でしょう。
まして新しく作ることなど、社会的にも政治的にもかなり絶望的だと言えます。
一部には東京の電力をまかなうのだから原発を東京に作るべきという意見もあるようですが(そもそもコスト的に全く合わないアイデアですが)これらのコストを考慮するとそれが無理だというのは今回の事故で改めて証明されました。
私の生まれ育った地元には原発が2基あります。
さらに3号機建設が決定し、その規模は世界最大クラスの出力を持つ物でした。
今回の福島の事故でおそらくこの計画は白紙になると思われますが、地場産業のない地方都市にとっては経済的メリットが失われる事でもあるのです。
もともと大した産業のない地方都市でしたが、1号機2号機建設の頃は経済的に潤ったという事実があります。
原発の労働者を哀れむ声が多いですが、それによって雇用が生まれているというのも事実です。
日本の産業構造云々という所まで話を広げるつもりはありませんが、原発にはそうした地場産業という側面もあります。
電力会社とその子会社、更にそこから派生する下請けや孫請けに至るまで日本的ではありますが産業として成立しているのです。
彼らがその土地で消費することで私の地元は周辺都市よりも幾分人口が多く、結果相対的ではありますが豊かであると思います。
原発にはリスクの対価として補助金などを含め、立地都市に経済的恩恵を与えている事実は無視できないように思います。
だから原発を容認しろと言うつもりはありませんが、原発のある土地ではそれが現実だと思います。
今回の福島原発の事故はある意味他人事には思えません。
なぜならもし同様の事故が私の地元で起きた場合、繁華街も実家も何もかも数十年は住めないでしょう。
非現実的な廃炉にしてもそれでおしまいではないので、地元のリスク負担は軽減されても無くなりはしません。
現実解としては、作ってしまった物はより安全な運用をしていくしかないのです。
問題全体としては地場産業という視点はボトムでしょうが、これが今の日本の置かれた現状なのだと思います。
原発を抱える街はとても複雑なのではないでしょうか。
参考記事:エコ幻想の終わりー池田信夫



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