連日報道されているとおり福島の原発は予断を許さない不安定な状況で、とりあえずの目標である冷温停止に至るまではまだまだ時間がかかりそうです。
都内では買い占めが頻発し、生産・物流で燃料や震災そのものなどによる打撃とも相まって、生活用品の不足も見られます。
今回の災害によって多くの問題が浮き彫りにされましたが、一都民として気がかりなのはこれからの経済的な先行きです。

昨晩見た朝生は今までに比べると、割と生産的な議論がなされていたように感じます。
本題の「原発が必要か?」という問いは、今の状況を考えると多くの問題を内包するものではありますが、選択肢としては必要不可欠な物ではないかと考えます。
現代の生活を維持する上で、情報化社会だなんだと言われても、結局エネルギーに依存していることには変わりがない。
そのエネルギーを原発は大きな割合で支えてきたのは、少なくとも実績として紛れもない事実です。
そして、この先も原発は必要であると考えます。

今回の原発事故を冷静に見極めるとするならば、ある意味では日本の原子力運用は優秀だったとも言えるように思います。
地震発生の段階では全ての原子炉の核分裂は停止しており、耐震という意味では安全でした。
現在の予断を許さない状況を生んだ原因は「想定外」の津波であり、文字通り想定されていない災害だったのでその後の展開も危機的で現在に至っています。

想定外という予見不能な不確実性を「ああすれば良かった」と語ることは、事後になって初めて可能ですがそれを事前にすることは非常に難しい。
それらをブラック・スワンと呼ぶタレブは、9.11のテロ以前に9.11のようなテロを未然に防ぐ対策をとった人がいるとすれば、彼は非難の的になるだろうと著作の中で書いています。
9.11より以前に今アメリカの空港で見られるようなボディチェックや荷物検査など行えば、過剰なセキュリティであると誰もが不満を抱えるでしょう。
つまり9.11以前にコンセンサスなど得られないのです。

今回の原発に関して言えば、それよりももっとお粗末な部分があり、大前研一さんなどは設計思想としてその点を厳しく指摘しています。
ただし、だから原発を無くしてしまえと言う結論は極端であるように思います。
9.11以降、世界の飛行機を一切飛ばすなという議論は少なくとも起きなかった。
一時的に航空管制が敷かれましたが、いまではセキュリティの強化によってそれを解決しています。

堀江貴文さんも指摘されているとおり「原発をより安全にという選択肢もあるはず」ですし、今ある原発を「1000年に1度の震災」に耐えうる物にもできます。
原発の被害は飛行機とは比べものになりませんが、利便性とリスクはトレードオフであることに本質的な違いはありません。
最終的にはそれをコストとしてどう評価するかが課題なのではないでしょうか?
リスクとそれに対するコスト、例えば津波に防波堤で対処するよりも海沿いに作らない方が津波に対するリスクは軽減できますが、冷却のコストを考えると水の調達という合理性は失われます。
原発で考え得る最も深刻なリスクが放射能漏出ですが、今回の例で言えば原子炉が停止することは証明されたわけで、漏出のリスクとしてはチェルノブイリよりは軽い。
原子炉をより小規模にするといったアイデアもあるようです。

重要なのは尚早に選択肢を1つに絞るのは、それによるリスクに対して盲目的になることと同じであると考えます。
安全性で言えば原発なんてない方が良い、しかしそれでは電気が足りない。。。
このトレードオフをどう解決するかが本質的な問題の解決であると思います。
選択肢に幅を持たせることは、廃止か存続かの二択よりも決して無駄なことではないと考えます。

追記
朝生のところでうっかり書き忘れてしまったのだけど、ビックリだったのは原発の発電コストの低さ。
フリップで示されてたデータでは単位発電量あたり(確か1kW?)の単価が最も低いのが原子力でした。
ついで僅差で火力で(次いで水力、風力だったようなきがします)最も発電コストが高いのが太陽光で原子力の25倍くらい。
つまり原子力は発電コストは最も安上がりってことなんだ。
でも、今回の事故の教訓からそのリスクをコストに織り込むと最も安上がりなのは火力発電になりそうですね。
経済の根幹を支えるのはエネルギーで、資源に乏しい日本では原発は30%を支える貴重なエネルギー。
火力にしても資源は輸入依存なので、エネルギーを確保する上でのリスク分散という意味では原発という選択肢を消すことは構造的に難しいのかも知れないですね。

ただ原発事故は福島のようになってくると、リスクがかなり大きい。
少なくとも福島は廃炉は間違いないし、これから何年も安定させるための管理をしていかなければならない。
池尾さんもおっしゃってましたが、この意味でも日本の原発は終わったのかも知れません。
一方でそれはイノベーションの機会でもあるのですけどね。
いずれにしても原発自体が抱えるリスクを減らすことが重要なのは自明ですね。

3 Responses to “原発は必要か?-Update1-”

  1. hama_jony より:


    今の自分の考えに一番近い。 RT @jinnguji: せからしか!: 原発は必要か? http://bit.ly/ficwZs

  2. 原発のない安全な国づくりは可能です より:


    原発のない安全な国づくりは可能です

    テレビと新聞の大スポンサーが電力会社なので、多くの日本人は「原発がなければ電力は足りない」と洗脳されている。実は、人口減少と共に電力需要は低下傾向にあり、火力発電所はいまも50%は休んでいる。だから、電力会社は「オール電化」「電気自動車」キャンペーンに必死である。
    原発を全廃すべき本質的理由は、それが創造主のプランへの傲慢な挑戦だからである。また、特にこの国が地震列島だからである。M8強の東海地震は25年以内に90%以上の確率で来る。その東海地震の震央に浜岡原発がある。
    2010年の総電力量に原発の占める割合は23パーセント。全国の照明をLED化することによって見込まれる節電は20-25パーセント。だから、省エネLED化だけで原発はひとつも要らなくなる。現在、省エネ技術は進歩しており、ある統計では35%まで節電可能だという。
    脱原発で安全な国づくりを実現する手順は次のとおり。
    第一に、オール電化・電気自動車キャンペーンをやめさせて節電する。
    第二に、火力発電に一時切り替えて、全原発を停止し、かつ、原子炉が冷えるまでにかかる10年間、原子炉の地震対策を徹底強化する。
    第三に、全国のすべての照明を省エネタイプに切り替えてゆき、順次火力発電を停止してゆく。


  3. 原発は必要か?-Update1 http://bit.ly/glgFBA

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