iPhoneはiPod touchはいわば双子の兄弟のようなものだ。
わがままで厳格な父Steve JobsとiTunesを母にもつ。
こんな比喩がお似合いの双子は、どちらもiTunesが無ければ成り立たないプロダクトであり、プラットフォームでもある。
それはユーザーの方々が一番良く知っているはずだ。
元々は単なるミュジックプレイヤーに過ぎず、しかもそのオリジナルを作ったのはAppleではなかった。
(元はSound Jamというソフトだった)
やがてiTunesはiPodを初めとするAppleのミュージックプレイヤーのヒットの原動力となり、今や独占的利益の源泉ともなっている。
ではこれがもっとオープンなプラットフォームであれば更なるヒットが望めたかと言えば、それは怪しい。
ユーザビリティは非常に柔軟になるだろうが、トータルの体験を重視するAppleはそれを許さない。
例えば世界シェアトップのNokiaのケータイはmicroSDに音楽ファイルさえ流し込めば手軽に音楽を聴くことができる。
だがAppleは「音楽を買ってそのまま転送して聞く」という一連の流れをシンプルかつスマートなサービスとして提供し、手軽なユーザビリティーと囲い込みによる自社の独占的利益を両立させるために、iTunes Storeというエコシステムを作り上げた。
CDからリッピングして、あるいはダウンロードで購入した音楽をmicroSDにコピーするのと比べると、それは微妙で非常に些細な差異だが、そこに商機と利鞘を嗅ぎ付けたAppleは鋭い。
と同時に囲い込みと言うエコシステムを気づき上げた点では実にしたたかだ。
そのエコシステムの中心となるコンテンツの調達は、レコード会社を次々に口説き落とし「楽曲のダウンロード販売」を解放し、そのいかがわしさを払拭した。
そんなJobsを父に持つAppleの現存のプロダクトは、間違いなくイノベーションという優れた遺伝子を組み込まれたJobsの子たちだ。
これほどまでに人々を魅了するニッチプロダクトたちは、絶対にマスと迎合しない。
常に独占的なポジションとり続けるAppleは、決してユーザーからの搾取などによって利益を生み出さず、イノベーションによって飽和した市場に不均衡を生み出し大きな利鞘を得る。
だからユーザーにとってAppleはとても魅力的なのだ。
個人的に悲しいことは、日本にそのような企業が少ないことだ。
それは本当に残念。



せからしか@Web http://www.sekarasika.com/: Jobsを父に持つ双子 http://www.sekarasika.com/archives/273
せからしか@Web http://www.sekarasika.com/: Jobsを父に持つ双子 http://www.sekarasika.com/archives/273